はじめまして、カワズ書房の井中まちです。
古のオタクです。
このたび、どうしてもマイホームが欲しくなり、古巣(新築)に戻ってまいりました。
はじめてサイトを開設したのが、2006年の4月27日。
そのころは「ふりぃもんの街」という名のマイホームでした。ちょっと規模が大きいですね。
最初はガラケーのみに対応していたマイホーム。そのうちにPCにも対応するようになりましたが、スマホが登場したころには「いやもうこれどうすりゃええんじゃ……」と頭を悩ませたものです(結論としては放置しました)。
あとハンドルネームがUNA(ユナ)→八葉奏(やつばかなで)→井中まち(いなかまち)とどんどん変わっていったことを覚えています。
ちょっと変えすぎでは?
そんな当初からずっと変わらず書き続けているもの。
それが、カワズ書房および井中まちの代表作である『幻影譚』です。
……ちょっとだけうそをつきました。変わってはいます。
まずタイトルが『CHILDREN OF DUSK』→『トワイライトチルドレン』→『幻影譚』とどんどん変わっているし(ちょっと変えすぎでは?)、中身もまるっきり別物になるくらいの書き直しを重ねています(現行の幻影譚は『幻影譚 Ver.2.2』、『CHILDREN OF DUSK』から数えると『Ver.5.2』にあたります)。
そんな、大切で、思い入れもある作品を、一度はまったく書かなくなった時期もありました。
それどころか創作から完全に離れ、たしか3年くらいは、まったくなにも生み出せない期間があったのではないかと思います。
それでもやっぱり、書きたい、書かなくてはいけない、と、もう放置しすぎていじり方すらわからなくなった「ふりぃもんの街」を畳み、小説投稿サイト「小説家になろう」さんに登録したのが、2016年5月ごろ。
なろうさんから離れて、同じく小説投稿サイト「カクヨム」さんで活動を始めたのが、2017年6月16日でした。
カクヨムさんでは、たくさんのご縁をいただきました。
それまでずっとネットの片隅でひっそりと生きていた私に、いろんな輝きやきらめきを与えてくださったのがカクヨムさんであり、そこで出会えた方々でした。
そのことについての感謝や感動は、言葉ではすべてを表すことができません。
今度こそ最後までちゃんと書くぞ、という決意とともに『幻影譚 Ⅰ蒼の章』を本の形にし、個人サークル「カワズ書房」としてオフ活動を始めたのが、2018年5月6日。
そこからはもう本作りやイベント参加が楽しくて楽しくて、気づけば沼にどっぷり浸かっており、結果として1年間で6冊もの本を作りました。ちょっと作りすぎでは?
そして、小説投稿サイトから離れたいという思いが募っていったのも、この1年間でした。
急速に変わっていく「WEB小説」というコンテンツ。次々と創設される新レーベル、それに伴いオープンする新たな小説投稿サイト。
頻繁に開催されるコンテストや書籍化などのニュースに、一喜一憂する空気、飛び交う憶測、ときには誹謗中傷。数字を気にして、結果を気にして、さらには収益まで気にしなくてはいけない。
書かなきゃ。読まなきゃ。応援しなきゃ、コメントやレビューを残さなきゃ。ああ、できない、申し訳ない……
そういう環境に、書き手としても読み手としても、疲れてしまった、というのが正直なところです。
このままでは、書きたいものを最後まで書くことができない。
つまりは古のオタクが新たな時代の流れについていけなかったというだけのことなのですが、そこでいま、私に必要なのは、小説投稿サイトからの脱却と個人サイト、つまりマイホームだなという結論に至りました。
自分の書きたいものを、最後まで書く。
言ってしまえば、ただそれだけのために。
2019年、4月27日。
はじめてサイトを開設したあの日から、ちょうど13年。
いま、ようやく自分のやりたいことが見え、それに向かって歩き始めます。
カワズ書房および井中まちは、趣味で好きに楽しく紡いだ物語を、本やWEBコンテンツとして頒布、公開し、文芸イベントやこのサイトを通してご縁をいただけた方にお届けする――
それを、いつでもお好きなときに、お好きなかたちでなんとなく手に取っていただける、そんな、「あなたも私も無理をしない」活動を目指しています。
このサイトに、数字が見えるカウンターなどは一切ありません。
コメントが残せるのはブログだけです。
なんの気兼ねもなく、ふらっと立ち寄って、なんとなく滞在してみたり、ちょっと立ち読みしてみたり、がっつり一気読みしてみたり。読むのも自由、読まないのも自由、媒体を選ぶのも積読も自由。
そういえば新しい本入ったかな、最近行ってなかったけどちょっと寄っていこうか。いまはちょっとひとりになりたい。ほんのちょっとだけだれかとおしゃべりしたい。そんなときの暇つぶし。
いつでも変わらずそこにあって、なんとなく、ふとした瞬間に、立ち寄りたくなる。
カワズ書房が、だれかにとってのそんな存在になれたらいいなと、思っています。