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天気の子と僕らの誠


どうもこんにちは!お察しのとおり映画『天気の子』を観てきた、井中まちです!

(写真はなんとなく新海誠みがある感じに撮れた気がする自前のやつです)

 

まあとりあえず落ち着いて映画館を出た直後の私のツイート内容を見てくれ。(ツイートをそのまま貼り付けることができなかったので文字だけ持ってきてます)

 

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天気の子観てきました!!

簡単にまとめるとこんな感じ!!

 

・圧倒的僕らの新海誠

・誠!!誠じゃないか!!

・おかえり!!誠!!

・誠ォオオオオオ!!!!

・2周目のノーマルエンド完全理解

 

現場からは以上です。

新海誠監督作品で1番好きだなぁ。

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つまりそういうこと。

 

わかるな。

 

おかえり!!おかえり誠!!僕らの誠!!圧倒的誠!!!!

いやーあのね、前作『君の名は。』は普通に面白かったんですよ。

あの誠が!?あの誠が普通に面白い映画を作ったぞ!?っていう衝撃と感動はあったんです。

でも誠が足りなかったの。

これ誠ぜったい色々我慢してるよねって思ったの。我々にはもっと誠が必要だったの。

 

でもね!!

『天気の子』はね!!

 

誠だったの!!!

 

ま、誠ォオオオオオオオオオ!!!!

やりやがった!!やりやがったぜ誠!!それでこそ僕らの新海誠!!圧倒的誠!!

 

ちょっと心配だったんですよ。ドカンと売れてドデデンと有名になってしまうとさ、逆に自分のやりたいように表現できなくなるんじゃないかなって。

あのほんとおまえ何様だよっていうようなこと言いますけど、正直、僕は新海監督の映画ってね、あのー、面白くはないなって思ってたんです。昔のやつね。

『ほしのこえ』、『雲の向こう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』……全部観てきました。

面白くはないなって思ってたんです。『君の名は。』より前の作品は。

とくに『星を追う子ども』なんて「はやく終わんねーかな」って気持ちにさせてくれる稀有な映画だったんです。

 

でもそこには誠があった。

 

圧倒的誠があった。

 

それはどうしようもなく魅力的で、美しく、やるせなく、ときに傲慢で、目が離せなくて。

だからきっと、僕らは、がむしゃらに手を伸ばした。

張り裂けそうなほど。

その先になにがあるのかもわからないまま、ただひたすらに。

 

ずっと。

ずっと――

 

追いかけていた。(重なるモノローグ)

 

 

わかるな。そういうことだよ。

それがな、『君の名は。』で薄れてしまっていたのが僕はとっても悲しかった。悲しかったんだ。

いや本当に面白かったんだ、エンターテインメントとして完成されていたんだ、でも僕らの誠が遠くなってしまったんだ。誠が足りなかったんだ。

もちろん、そこに誠がなかったわけじゃない。でも僕らの誠はそんなもんじゃない。そんなもんじゃないはずなんだ。

だって僕らの誠はもっとさ!!

こう!!

 

誠じゃん!!!!

新海誠じゃん!!!!

観客が「面白い」と思うものっていうよりは自分の表現を優先してきた誠じゃん!!!!

 

だからさぁ!!

ほんとさぁ!!

嬉しくてさぁ!!

 

誠ォォォオオオオオオ!!!!

 

ってなったわけですよ!!

 

『天気の子』の映像が最初に公開されたときから、そんな予感はあったんです。

「あれこれ、もしかして誠じゃね?」って。「誠が誠してね?」って。

だからこそ不安もあったんです。誠もしかして『君の名は。』から入った層に「面白くない」って叩かれちゃうんじゃないかなって。

だがそんなことは杞憂だった。

 

誠が誠してるけど!!

ちゃんと面白かったんだ!!

 

しかも!!

 

2周目のノーマルエンドだったんだよ!!!!

 

あのー、僕、天気の子1週目はね。須賀さんとのイベント回収しきれてなくてバッドエンドだったんですよね。

抜かったわ……女の子の好感度上げることばっか考えてちゃやっぱ駄目ですね。ほらもう完全に陽菜さんルート入ったと思ってたからさ。須賀さんないがしろにしちゃって。

経験上、他の女の子ともちゃんと仲よくなっておくことは重要ってわかってたから、夏美さんとはうまくやってたんですよ。

あと凪パイセンがもしかしてそういうこともあるんじゃないかと思ってそのルートに備えてもいた(実際凪パイセンエンドはトゥルーエンド後に解放されたけど、そういうアレではなかったな。あれは悲しくも極上に美しいエンドでしたね……姉弟愛……うっ……)。

まあ、とはいえ神社で選択肢間違えちゃってたから、どっちにしろバッドエンドにならざるを得なかったんですけどね。

しかし須賀さんバッドエンドは効いたわ……この手のなかの銃がカタカタ音を立てましたよね。実際にはコントローラーだったけど(僕がプレイしたのはPS2移植版、つまり全年齢版です。15歳美少女なので)。

で、ですよ。

2周目でさ、たどり着いたわけよこのノーマルエンドに。

これ公式では「ノーマル」エンドってことになってますけど、確実にトゥルーエンドですよね?

ファンの間では「トゥルーエンドは蛇足」って有名ですもんね?

このノーマルエンドこそがトゥルーエンドなんですよ、本当に。

公式でいうトゥルーエンドはさぁ、なんかこうご都合主義っていうか、全部救ってみんなハッピー!ってしておけば満足なんでしょみたいな感じ、あるよね。エピローグ無駄に長いしさ。

そうじゃねぇ。そうじゃねぇんだよな。

俺たちが一緒に生きていきたいのはそんな世界じゃねぇんだ。

いやそれは制作側もわかってるんだと思うよ?だからだいたい2周目でこのノーマルエンドにたどり着くようにしたんだと思う。実際映画化されたのもこれだしね。

まあつまりこのノーマルエンドはトゥルーエンドとして完璧なわけです。2周目の。

 

わかるな。

 

アア~~~~~~~~最高~~~~~~~~~~~~媚びない誠最高~~~~~~~~~~~~~~

それだよ!!それなんだ僕たちの新海誠は!!

 

もうね、このね、

 

うるせえ!!誠をくらえ!!誠(打撃音)!!誠(爆発音)!!

 

って感じ!!!!

 

けどちゃんとエンタメとして面白いものに仕上げてあるのすごすぎる~~~~~!!!!

ほら、みんなそこの塩梅に悩むわけじゃないですか!?この見事なバランスはほんとなかなかないですよ!!やばいよ!!

 

「お待たせいたしました、新海誠の誠ソテー、誠と誠の誠ソース添えでございます」

「まあ、素晴らしいわ。シェフ(誠)を呼んでちょうだい」

 

ってなかなかならないじゃないですか!!??

なんてこった誠……こんな……こんな日が来るなんて……

 

まあつまり結論を申しますとすごくよかったです。

これはサブカル界に懐かしくも新らしい、なんかこうそういう流れを生むんじゃないだろうか。

 

あと新海誠といえば特徴のある美しい映像がやはり印象的なんですけど、昨今の若手さんはそれに影響されすぎだと思うんですよね。

だいたい自主製作アニメとか見るとさ、新海誠か細田守じゃん。ていうか新海守って感じじゃん。あ、上海のやつは完全に上海誠だったな。

そういうのを目にするたびにね、「もっと自分を大事にして!!」と思うわけなんですよ僕ぁ。

天気の子を観てさらにそれを感じましたね。

 

だって新海誠本人はこんなに誠してるんですよ??

それを真似したって僕らは誠にはなれないわけです。

というか、誠を愛するからこそ、僕らは僕らとして表現しなきゃならないんですよ。

だって誠が誠だから。

 

そういうことも提示してくれるような、本当に圧倒的誠でした。

お見事でした。

 

やっぱり自分の表現を貫くことって大事だよ。

巨匠はだいたい最初から最後までまったくブレないもんな。(ってこの前、高畑勲初監督作品『太陽の王子ホルスの大冒険』を観てつくづく思いました。ブレなさすぎる)

 

憧れる、尊敬する、影響を受ける、ということと、表面上の真似だけするということは違うんだ。

わかったよ、誠。

僕、これからも自分の表現、続けていくよ。

 

(ところでここにきて冷静になって考えてみたんですが、たぶんこの映画、「ちゃんとした大人」には響かないんじゃないかと思います。よかった15歳美少女で)

 

最後に一言だけいいですか。

僕はこれ「やるドラ」だと思った。